ホームケア=応急処置と観察

ホームケア=
応急処置と観察

“お家の中で出来ること” が基本ホームケアの考え方です。
各ご家庭で出来ることに多少違いがあると思います。
ここでは、最低限知っておくべきこと、対処していただきたいことについて述べていきます。
さらに深く知りたい方は病名をクリックしてください。

発熱がある時は、どこかに炎症があります。
炎症の原因は、感染やアレルギーなど多岐にわたっています。対症療法が基本となります。
 
・観察

発熱の観察で大切なのは、熱型といって時間帯による熱の変化や体温の高さを見ていくことです。
この時、熱冷ましで解熱しているのか、自然に解熱したのかで診断をするときの判断基準となります。
 

・処置

⚪︎解熱剤は、基本38.5度以上の発熱を認めた時に使用します。解熱剤の使用は、最低6時間をあけて使用します。
⚪︎ひたいや脇の下、首の後ろを氷枕や冷タオルなどで冷やしてあげると良いでしょう。
*冷えピタを使う方も多いですが、使用には注意も必要です。当院では、発熱時の対応としては十分な効果を得られにくいと考えており、推奨はしていません。
 

・暮らしの見直し

よく発熱するお子様は、免疫力低下や抵抗力の蓄積ができていないことが考えられます。
食事・睡眠・運動のバランスを見直して、体力をつける生活を工夫すると良いでしょう。
 

・補足

タオルを交換してあげることで、保護者の愛情を感じるものです。
大変ですが、子どもの心の発達の側面からも、タオルの交換をしてあげることをお勧めしています。
 

・事故

冷えピタによる事故が起きています。以前、頻度は少ないですが、冷えピタがずれて口を塞ぎ窒息事故が起きました。


咳は、感染症やアレルギー疾患、ストレスを含む心身症で起こります。
誤飲誤嚥などの事故によっても起こることがあります。
 
・観察

咳の観察で大切なのは、いつから咳をし始めたのか、どんな咳(性状)をしているのか、いつ多いのか、咳き込んでいるのか、水分を取ることで落ち着くのかです。これが診断をする時の判断基準となります。
例えば、喉の痛みがあることで咳をする時と、肺疾患からくる咳なのかで咳の性状が違ってきます。
 

・処置

咳は、基本内服薬を使いながら原因に対する治療を行います。しかし、咳はコントロールが大切な疾患と言われています。傷んだ気管支を元の状態に戻し、健康な肺を育てるために、コントロールが必要なのです。アレルギー疾患の場合が特に管理が必要です。
水分の取り方や食事内容、休息(睡眠)の取り方、運動の仕方も治療に大きく関係してきます。
 

・暮らしの見直し

日頃の暮らしの中で、アレルゲンになっているものはないか、規則正しい生活(食事・睡眠・運動)ができていたかなどを見直すことも必要です。
 

・対応

⚪︎咳発作:喉のイガイガから出る咳
 冷たい水分を一口飲むことでおさまる場合があります。(たくさん飲むと消化器への影響があります)
⚪︎咳で眠れない
 枕を高くして半座位(ファーラー位)にすることで呼吸しやすく睡眠をとることができます。
⚪︎アレルギー反応での咳
 水分を1L〜2L/日とることで、痰を排出しやすくなり症状が落ち着くことがあります。こどもの発汗量や排尿量などによっても適切な摂取量があります。日頃の水分のインアウトを知っておくと参考になるでしょう。


鼻症状が出る原因には、アレルギー疾患・感染症・耳鼻科領域の疾患が考えられます。
しかし、乳幼児期には特に環境による鼻症状が多いのも事実です。
 
・暮らしの見直し

衣服やお布団の調整、湿度・室温は適切か、こどもにとって適切な環境になっているかどうか生活を見直すことが必要です。
 

・対応

鼻の症状以外にも症状がある場合や長期間続くときは、病院受診をお勧めします。


消化器疾患の中で多い症状です。
胃のトラブルが原因のときもありますが、便秘でも症状が出ることもあります。
内臓疾患が疑われる時にも症状が出ますが、小児での発症は少ないです。
 
・観察

嘔吐したら、いつから症状が出たのか、食事の摂りすぎはなかったか、いつもと違うものを食べていないかをチェックしましょう。
 

・対応

嘔吐したら、まずは絶食です。水分も制限し、しっかり胃腸を休ませましょう。
3回以上嘔吐が続く場合は、次のリーフレットを参考にしてください


消化器疾患の中で多い症状です。
感染症、食中毒、腸捻転、腸重積など疾患は様々です。
 
・観察

年齢及び便性・回数・腹痛の場所などが診断の判断基準になります。
しっかり観察しましょう。
 

・処置

咳は、基本内服薬を使いながら原因に対する治療を行います。しかし、咳はコントロールが大切な疾患と言われています。傷んだ気管支を元の状態に戻し、健康は肺を育てるために、コントロールが必要なのです。アレルギー疾患の場合が特に管理が必要です。
水分の取り方や食事内容、休息(睡眠)の取り方、運動の仕方も治療に大きく関係してきます。
 

・暮らしの見直し

下痢の時は、外科的疾患が除外されたら、食事が治療の基本となります。
腸内細菌や動きを回復させるために、生活の見直しは大切ですね。


ガイドラインで乳児と小児の便秘とされている状態には以下のものがあります。
 ・通常に比べて2日か3日長く排便がない
 ・便が硬いか排便時に痛みがある
 ・トイレを詰まらせてしまうような大きな便
 ・便の外側に数滴の血液が付着している
 
・観察

乳児において、いきみや泣くなど排便に苦労しているかのようなサインが見られますが、これらの症状は通常、排便時に骨盤底筋を緩められないために起こるものです。
便秘があれば、定期的に腹痛を訴え、特に食後に腹痛を訴える小児もいます。
時に、大きく硬い便を出そうとして肛門が裂けることがあります。これは痛みを伴うものであり、便の表面やトイレットペーパーに筋状の鮮血が付着することがあります。
またまれに、慢性的な便秘から尿路感染症や夜尿といった尿についての問題が生じることがあります。
 

・暮らしの見直し

便秘は、腸内細菌のバランスが崩れる、腸の蠕動運動が弱くなることで起こります。消化物が停留することで、水分が吸収されすぎてしまいます。ストレスなどの心理的な側面から長引くこともありますので、生活の見直しをすることが必要です。


乳児期から2歳ごろまでは、なんでも口に入れて物の硬さや味を確かめる本能的行動をとります。
特に1歳未満は、判断することが難しいので、口に入れたものは飲み込んでしまうことが多いです。
500円玉以下の大きさのものは、誤飲する可能性が高いですので、手の届くところには決して物を置かないように気をつけましょう。
 
・補足

こどもは、穴の中に物を入れる時期があります。大体2歳前後の時期に多い行動です。
よくある事例は、鼻の中にビーズを入れたり、直径1㎝ほどのものを耳に入れることもありますので、気をつけましょう。


熱中症は、気温や湿度が高い環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温や循環の調節機能が乱れたりすることによって生じる障害の総称で、主な病型は『熱失神・熱けいれん・熱疲労・熱射病』の4種類があります。
 
・暮らしの見直し

⚪︎温度が高い時はもちろん、湿度が高い時にも熱中症は起こります。
風通しをよくする、室温・湿度管理をしっかりしてお部屋の調節をしましょう。
⚪︎外では日陰を利用して調節をしていくことが必要です。体を外側と内側から冷やしてあげましょう。
⚪︎電解質のバランスが崩れることで症状が出現しますので、スポーツドリンクなど少し塩分が入った飲み物は、予防及び症状回復に有効です。梅蜂蜜や生姜湯のようなものも良いと言われています。
⚪︎冷えすぎは、吸収が悪くなります。人肌程度のもので、体力がつく食事をしっかり摂ることをお勧めします。


こどものけいれんで最も多いのは、熱性けいれんです。熱性けいれんは、熱があり、けいれんを起こす病気です。
生後5、6ヶ月〜5、6歳までのこどもに使われる病名で、尚且つ熱の原因が髄膜炎、脳炎など中枢性疾患や代謝性疾患ではない時です。熱のほとんどの原因は、風邪などの感染症です。
他に代表的なものは、泣き入りひきつけやてんかんがあります。
泣き入りひきつけは、未発達な脳が怒りや癇癪のために呼吸が抑制され、一時的にオーバーヒートしてしまった状況です。病気ではありません。
てんかんは、原因は様々ですが、長期の内服治療が必要となることもあります。定期的に検査を受けながら内服量を調整しながら付き合っていく病気です。普通の生活が可能ですし、内服を中止できる可能性が高い疾患と言われています。
 
・対応、暮らしの見直し

⚪︎熱性けいれん
 発熱時の対応を覚えておく必要があります。ダイアップというけいれん予防の坐薬を使うことで発作を抑えながら発熱をみることが必要です。こどもの成長と共に消失していきます。
⚪︎泣き入りひきつけ
 関わり方で発作を軽減することは可能です。生活を見直していくことをお勧めします。


様々な原因で起こります。骨折などないかのかを確認してみていくことが大切です。捻挫、打撲すると生活に支障が出る場合があります。保護者の方の支援が必要になるでしょうから、状況に合わせてお手伝いしやすい環境を整えてあげましょう。

怪我はこどもにはつきものです。しかし、命を落とすような怪我は回避する必要がありますね。
安全と育ちの難しいところであり、基準をどこに置くのかで、こどもの育ちにも影響しますが これが正解 という基準はありません。ご家庭の中でよく相談してくことをお勧めしています。
 
・暮らしの見直し

命を落とす危険な場所や発達段階を理解し、お子様の育ちに合わせたこどものセーフティをよく考えて、生活を組み立てることが必要です。
また、怪我をしてしまった時の応急処置についても、日頃から知っておくことで、慌てずに対応することができるでしょう

〜緊急時の対応と受診の仕方〜

A.もちろん使ってから受診してください。

 
熱の見方は、熱型が大切な情報源となります。
いつから熱が出たのか、どんな時間帯で発熱が推移するのか、などなどの観察が必要です。
高熱が続いていると本人はとてもきついものです。乳児など時に元気なお子様もいますが、体力を消耗する原因となりますので、適切に使用することが必要です。

A.高熱の時は消化器の動きも弱くなっています。消化の良いものをあげたほうがいいでしょう。

お粥の代替え品として、パンがゆやうどんなどがあげられます。まずは体力を回復できる炭水化物を中心にあげましょう。
また、ビタミンは回復を促進しますので、野菜や果物はいいですが、果物はお腹を冷やしやすいので、摂取量には気をつけましょう

A.高熱だけで慌てる必要はありません。解熱剤を使用しながら、慌てずに受診してください。

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